明星山 P6南壁フリースピリッツ
2003年10月10日〜12日
フリースピリッツ 日置・本多 万福(記録)・坂地
左フェースルート 中野・石山・荒松
本多さんが昨年のリべンジのためフリースピリッツを登るというので、お供することにする。
10/10
21時、天王寺出発。
3時、明星山キャンプ場到着。(大阪より480km)宴会後仮眠。
10/11(晴時々曇)
6時起床、7時半出発。車道から小滝川に下り対岸に渡る。水は少なく、飛び石で渡れた。左岩稜には2パーティほど取付いていた。中野・荒松・石山パーティは左フェースを登る予定なので、下部が左岩稜と共通のため少し待つことになるだろう。私達は下流のフリースピリッツ取付きに向かう。幸いにも誰も取付いておらず、8時に本多・日置、万福・坂地パ−ティの順で取付く。1P目は草付きを左上、本多・日置組が去年登っているので良かったが、始めてだと絶対に、どこを登ればいいのか解らなかっただろう。下部は脆い所が多いので慎重に登る。5P目垂壁の下を左上し、ウメボシ岩に向かうが、スズメバチがしつこく付きまとう。リード中の坂地さんの動きが途中で何度か止まる。ハチが手にとまって動けないようだ。ようやくウメボシ岩下のビレー点にたどり着いたが、坂地さんはここにペッツルのオートロックのカラビナを忘れてきてしまう。(あーもったいない!)6P目はウメボシ岩を登り、右下に10mほど トラバースする。これが結構恐い、下部の核心である。ここから2ピッチで中央バンド到着。すでに2時をまわっているので、中央バンドでビバークという意見も出たが、なんとか終了点まで登ることにする。階段状のランペ?を鷹巣ハングが真上に見える所まで右上、垂壁を登るが、鷹巣ハングの下で行き詰まってしまう、本当はもう少し左側に行かないといけなかったのだ。一旦下ってから、傾斜の緩い所をトラバースし、ルートに戻る。この時、坂地さんはルベルソを落としてしまう。20mほど下のテラスのブッシュで止まったが、取りに戻ることはできなかった。(あーもったいない!)14P目(鷹巣ハング下で間違て2P増えた)のパノラマトラバースは高度感満点で、岩はもろく、ピンも貧弱でスリリング。上部核心の凹状フェースはピンも多く、とってもA0し易かった。(この時点で薄暗くなっていたのでフリーなんかにこだわらない)暗くなってきた中をさらに2ピッチほど登り、上部のブッシュ帯にたどり着く。最後はへッドランプをたよりに登る。6時ビバ−ク決定。ブッシュ帯といっても平らな所などないので、パーティ別にビバーク。上の本多・日置組が動くたびに落石がくる。朝までは長くつらい12時間だった。
10/12(曇時々晴)
6時発、本多・日置組を置き去りにし終了点を目指す。しかし登りすぎてしまい下降路を見失う。懸垂。登り返しを何度かくり返し、目印の大木にたどり着いた時には9時になっていた!置き去りにしてきたことを後悔する。10時キャンプ場に生還。本多・日置組が帰ってきたのは11時半。やはり、私達の選択は間違っていなかったようだ。天気が下り坂ということで、1日早く帰阪することにする。糸魚川の保養施設で風呂に入り(300円也)、途中のハイウェーオアシスではコンロも出して大宴会(ハイウェーオアシスはアルコールでもなんでも売っているのだ)。天王寺到着は10時でした。
(万福)
明星山 P6南壁フリースピリッツ
2003年10月10日〜12日
フリースピリッツ 日置・本多 万福・坂地(記録)
左フェースルート 中野・石山・荒松
本多さんと日置さんが、フリースピリッツに再挑戦するというので、そのときはいっしょに連れて行ってもらおうと思っていた。ただし、僕が登るのはフリースピリッツではなく、左岩稜。僕の力量から考えて、万福さんもそれは承知だと思っていたのに、9月も末になってフリースピリッツを登ろうと考えていることを知って内心ビックリ。何度も別ルートにしようと言おうと思ったけれど、なかなか切り出せなかった。直前の水曜日、万福さんがレベルテンに来ると聞いたので、万福さんには悪いけれどやっぱり別のルートにしてもらおうと決心して、レベルテンに行った。が、すでに万福さんは帰ったあと。これも運命、万福さんには負担をかけるけれど登ろうと思った。
1P 万福
朝イチはいつも調子が悪い。万福さんにお願いする。体が重くてバランスが悪い。
2P 万福
調子は最悪。登れる気がしない。あと15ピッチあると思うと気が重い。
3P 坂地
体と気持ちが、やっとなじんでくる。リードしてみようかなと思う。
4P 万福
どんなところだったかあまり覚えていない。
5P 坂地
スズメバチが飛び回る。手にとまると動きをピタッと止めて飛んでいってくれるのを待つ。後続のビレー中、そでの中に入ってこようとしたときは恐怖の一言。
6P 万福
下りのトラバースは足もとがえぐれていて見えない。一歩踏み出すのがこわいので躊躇する。手前のピンにかけてあるスリングを持ってえぐれている下をのぞき込み、足をおけることを確認してから出発。一歩踏み出せばなんと言うこともなかった。

7P 万福
下りトラバースで気苦労(?)したので、万福さんにお願いする。ここから中央バンドまで、3ピッチだが、ビレー点を通り越して緩傾斜帯まで行ったので2ピッチになった。
8P 坂地
緩傾斜帯にあがると向こうの方の木で万福さんがビレーしていたが、こっちに来るな、そのまま緩傾斜を横切って登って行けというので登っていく。3ピッチを2ピッチにしたのと、木やカムで支点を取ったので、ロープがえらく重くなってくる。中央バンドに付いたときには満身の力を振り絞って30cmほど引いては登るの繰り返し。日置さんと本多さんが休んでるところまで2m程になったので日置さんにも引っ張ってもらう。やっとの思いで2人のところに着いたら支点はカムで取っているので下の岩まで降りて支点を作れといわれ、下に降りて岩にスリングをかけて確保。
9P 万福
中央バンドで、しばしのんびりしていたけれど、やっぱり今日中に登ろうということになって、中央バンドを渡る。クィーンズウェイからの落石が頭を飛び越して飛んでいく。
10P 万福
ランペを右上。
11P 坂地
黒くなったフィックスロープの横を直上。まっすぐ上がるつもりが、右にビレー点が見えたので右に入ってしまう。ビレー点を通過し、1ピン上に行く。左上にピンは続いているがなんか変。フリースピリッツ、ACC−J、ダイレクト、マニフェストがこの付近で交錯しているので変な方に入り込んだらしい。本多さんはまっすぐ上がっていったようで姿が見えない。万福さんに上がってきてもらう。
12P 万福
いやらしい海辺の磯のような岩を5m登って、残置のカラビナを使って本多さんのところに5m降りる。万福さんが登っているときに体を反らせたら、カンテの向こう側の手をの出せば届く位の距離に本多さんの上半身が見えた。こんなに近いのならトラバースすればよかったと思ったが、後の祭り。ヌンチャクを回収するために万福さんの後に続く。
13P 万福
7、8m下りトラバースし、10m程上がる。ホールドも少なく、セカンドで落ちたらうめぼし岩の比ではない。正直いってここが一番怖かった。やっとルートに戻る。
14P 万福
パノラマトラバース。ホールドも大きく快適。リードすればよかった。日置さんがカメラを向けてくれたので、真剣な顔をする。
15P 万福
ここだけは異様にピン(ボルト)が多い。うす暗くなってきたので、早く登ることだけを考える。よって、二人ともA0。
16P 坂地
傾斜の緩くなったブッシュ混じりの岩場。気休めのような茂みに時間の無駄やと思いつつスリングをかける。
17P 万福
ブッシュと小壁。もう真っ暗。ロープを掴んで登るからねと声をかけて登りだしたが、ホールドを探して登る方が楽なので岩をつかんで登ることにする。灌木帯の比較的傾斜のゆるいところで2組に分かれてビバーク。体がずり落ちていくので木にスリングをかけて足でつっぱって寝る。
明るくなったら直ぐ出発。日置さんと本多さんのビバークしているところまで登ると二人は気持ちよさそうに横になっている。万福さんはビールが飲みたくて、僕は朝ご飯が食べたくて、二人が起きるのを待たずに声だけかけて通り過ぎる。灌木帯を抜けると南壁の頭まで広い斜面。南壁の肩がどこにあるのか分からない(僕らがビバークした灌木帯が南壁の肩だった。上に行かずに左へトラバースすればよかったのだ)。どんどん登っていたが、さすがにおかしいと思って下降。その後、懸垂しては岩壁の上に出てしまって登り返す・・・を3時間も繰り返す。朝の9時というのに今日中にかえれるのかしらと心配になってくる。直ぐ下に車もテントも見えているので、いよいよ馬鹿らしい。日置さん本多さんは昨年左岩稜を登っているので下降路を知っているはず。今頃ビールを飲んでるのかなあ、こんな事なら起きてくるのを待っていっしょに降りたらよかったなぁと後悔する。3度目、展望台が見え、かつ壁の方によりすぎないよう慎重に下りていって、やっと赤テープを発見。一路キャンプ場をめざすが、下りてから確実な道をと車道を選んでえらく遠回りをした。
日置さんと本多さんは笑っているだろうなあと思うとテントに戻るのが恥ずかしかったけれど、二人はまだ着いていない、今、左岩稜を懸垂しているのが見えたのでやめさせているところだと聞き、二人を待たずに降りてきて正解だったと、握手し冷えたビールで乾杯!
フリーのルートと聞いていたので、ボルトが一定の間隔で打ってあるルートを想像していましたが、ピンの間隔は遠い、ボルトはほとんどなくハーケン、岩は脆くて大きなホールドも動く、落石は非常に多い(落とした人を責める気にならない)。ピンがないし、ヌンチャクをかけても持つ気にならない(上部核心5.8除く)ので結果的にフリーで行かざるをえないルートでした。
(坂地)
